嘘つきと素直とわたし (ページ32)

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次の日も、その次の日も登坂さんはこなくて

その間に何度か今市さんにお昼を誘われて食べたりもした

結局次に顔を見たのは1週間後だった

久しぶりに見た登坂さんは少し疲れてる感じがした

気のせいかもしれないけど。

臣「A、コーヒー持ってきて」

1週間ぶりのコーヒーを持って行ったけど、

デスクに登坂さんはなかった

ちょっとイラッとしたけど

疲れてそうだったから、コーヒーと一緒に

メッセージを書いた付箋とチョコレートを置いて自分のデスクに戻った

.

それ以降特に話すことなく1日が終わった

どうして珍しく残業がない今日に限って会議があるんだろう？

「はぁ...疲れた」

会議室から営業部まで戻って

自分のデスクになだれ込むように座った瞬間

「あれ、この匂い」

ふわっと香るスパイシー

まるでさっきまでここに登坂さんが居たみたいで

この部屋に一人きりの事が、寂しくなった

久しぶりに会ったのに全く話さなかった

わたしは一体登坂さんになにを期待して

なにを求めていてんだろう

またいつもみたいに待っててほしかった？

……ばか、みたいで自分がいやになる

「Aちゃん？」