嘘つきと素直とわたし (ページ31)

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隆「……どう、思ってる？」

ふにゃふにゃ笑ってた今市さんがすこし真剣な顔をした

「人混みの中に登坂さんがいてもすぐ、見つけられるんです

ほかの人と居ても頭に浮かんでくるんです

登坂さんといるとドキドキするけど、たまに胸が苦しくなります」

隆「それが好きってことなんじゃないの？」

「そうかもしれないですね

でも、登坂さんの気持ちはわたしにないですよね、」

今市さんの真っ直ぐな視線から目を離して少し下をみた

隆「Aちゃん」

名前を呼ばれて頭を上げる

隆「臣は言葉がいつも、足りないよね
だけどなにも考えてないようでちゃんと考えてる人だよ

臣が本当に何も思ってない人のこと、仕事終わるの待ってたり、飯行ったりすると、思う？Aちゃん」

「……はい。思いません」

隆「でしょ？
不器用なんだよ、ほんとにあいつ。

だけど、
そういうところAちゃんが色々わかってあげてほしいんだよ。

全部簡単に行くことじゃないけど…きっと臣も、頑張ってると思うから…」

今市さんがなんのことを話してるのか、わからなかった

でもどうして今市さんがこんなに悲しい顔をするんだろう

そんな今市さんを見つめることしかできなかった