嘘つきと素直とわたし (ページ29)

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思ってたより仕事が片付かなくて

終わった頃にはお昼時間になっていた

「咲希ごめん、なんか今市さんに呼ばれてるからちょっと行ってくる。お昼食べてていいからね」

咲「あーそうだったね。
なんか…最近のAは忙しいね色々と」

「ほんと仕事がたくさんで困る」

咲「そういう意味じゃないけど。ま、いいや！いってらっしゃい」

「いってきます。」

少し離れた隣の部屋の方に行って今市さんを探す

「いないなぁ」

「あー！Aちゃんだ！」

その声に振り向くと

にっこり笑った岩田さん

「岩田さん？なにしてるの？」

岩「この前の資料のことで、登坂さんに用事があったんだけど…

って、それは口実。本当はAちゃんに会えたらいいなあって思ってた、これからお昼？良かったら一緒に」

「えと、ごめんなさいお昼なんだけど、今市さんに呼ばれてて」

岩「今市さん？」

「そう。登坂さんの同期の…あ、ちょうど今来た人

今市さんー！」

隆「あ！Aちゃーん！ごめんごめんちょっと社長に呼ばれちゃってさー、
って、お取り込み中？」

走ってきた今市さんが岩田さんを見た

岩「あ、いえ。初めまして、広報部の岩田です。」

隆「あ～きみが噂の岩田くんかあ！
今市隆二です、よろしく」

岩「よろしくっす

……じゃあ俺はこれで。

Aちゃん、またね」

「はい。また」

小さく手を振ったけど

岩田さんが振り返ることはなかった