嘘つきと素直とわたし (ページ22)

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朝起きると隣にいた登坂さんはいなかった

昨日はあれから話すことはなくて

登坂さんの寝息が聞こえてきたあとわたしも気づいたら寝ていた

『…ー俺のことだけ見ててよ』

その言葉が頭から離れない

「はぁ

…わたしってなんなんだろ」

シーンとした部屋にわたしの声だけが響いた

.

日曜日

部屋の片付けをしてると不意になる携帯

～♪

「もしもし？」

岩「あ、もしもし？Aちゃん？」

「あ、岩田さん」

そういえば番号聞かれて、教えたんだった

岩「休みの日まで声かけて嬉しいなあ、今何してた？」

「んーと、部屋の片付けしてました」

岩「映画、いかない？！」

「映画ですか？」

岩「そう！せっかくの休みだし！ね？」

「あー、んー」

岩「じゃあ、○○駅に13時ね！ばいばーい」

「あ、ちょっと！」

聞こえるのは電話の切れた音だけ

岩田さんには本当にいつもペースを持っていかれる

でも、まあいいかと思ってしまう自分もいる

「…何着て行こうかな」

そう言えば男の人と2人で映画なんていつぶりだろう

鏡に映るわたしの頬は緩んでいた