嘘つきと素直とわたし (ページ12)

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それからのわたしの日常は少し変わった

普通に出勤して、普通に仕事して

いつも通りこき使われていたけど

登坂さんにコーヒーを持って行くと

臣「ん、ありがと」

なんて言って少し微笑むようになった

週に何回かわたしの残業を待って

家に送ってくれたりもした

ご飯を食べて帰る日も何度かあったけど

本当にただそれだけ

車を降りる時に一瞬触れる唇

あんなに嫌だった登坂さんのこと

嫌だと思わなくなって

わたしはそれを受け入れていた

.

「はぁ～」

咲「最近ため息ばっか」

「だってー」

咲「付き合えばいいんじゃん？」

「いやいや、そんなんじゃないって。あの人モテるしわたしじゃなくたっていいでしょべつに」

咲「Aは？Aの気持ちはどうなの」

「好きになったりするの怖いし、好きになられるのも怖い」

これが正直な気持ちだった

咲「そう思ってる時点で確実に今までとはちがうんじゃないの？
それにAは相手のこと本気で嫌だったらもっと拒絶するでしょ。
今までだってそうして来てたんだから」

「まあねー」

ふと登坂さんの顔が浮かんで

飲んでたコーヒーがいつもより甘く感じた