story of love ３

愛故に交はす ４ ページ37

side.赤
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黄「なんか飲むか？」


赤「水でええ…」





久しぶりの甘い夜に身体は既にクタクタ。




やけど、逆に






黄「こぼすなよ」


赤「…子どもちゃうし」





疲れきっていたはずの心はすっかり回復した。




もうぽっかぽか。








黄「どうせ明日も仕事やし、今日はもう寝よか」


赤「うん、せやね」






にっこりと笑った淳太が俺の頭にキスを落とす。




照れる素振りもなく、こういう事をさらりとやってのける淳太はやっぱりとんでもなくカッコよくて直視出来へん。









黄「…おやすみ大毅、今日も可愛かったで」





大好きな声が耳元でして、あっという間に眠りに落ちた。









.









黄「大毅、朝やで」




聞き慣れない目覚まし時計の音と、早朝やのにいつもと変わらない調子の淳太の声で目が覚めた。








赤「ぁ…おはよ…」




起きたてで声があんま出ぇへん。









黄「…なぁ、今日はこれ着ぃや」





そう言うて渡されたのは、綺麗にアイロンがかけられた淳太のワイシャツ。









黄「朝帰りなん、バレたらマズいやろ？」


赤「シャツだけや分からへんて…」


黄「俺は大毅のシャツ着てくから」


赤「は、はぁっ？！」





なんでわざわざ。









黄「昔の人たちってな、恋人同士なかなか会えへん時は相手の着物と自分の着物の中身を交換して、会えへん寂しさを紛らわせてたんやって」





めっちゃロマンチックやない？と目をキラキラさせている淳太は昨日とは打って変わって子どもみたいやし、先輩とは到底思えへん。









黄「次またいつこんなん出来るか分からへんし、俺のシャツ着とったら少しは寂しさも紛れるんちゃうか？」






もう既に淳太は俺のシャツに袖を通している。





ったく…もしバレたらどう説明するつもりやねん。







そうは思いつつも、俺も淳太のシャツに袖を通す。





ふわりと淳太の匂いがして、なんだか胸がくすぐったくなった。









こうやってシャツを交換出来るのも、淳太の彼女である特権で、愛がある故に出来ること。







赤「…よっしゃ、」









今日はなんだか、仕事がとても捗りそうな気がする。



(END)

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