story of love ３

君は誰かに恋してる？（黄×橙） ページ3

side.橙
_


昔からずっと淳太くんと一緒にやってきて、ここまでくると淳太くんが何を考えていて、どうしたいのかっていうのはある程度わかるようになってきた。




それは淳太くんも同じみたいで「照史のことは何でもわかるわ」とまで言ってくれたり。







やけど





やけど、ただ1つだけ。




ほんまに1つだけ。



淳太くんのことでわからへんことがある。





俺は昔からずっと淳太くんに恋してたから、淳太くんの好きな人とか淳太くんの恋人とかには敏感になってたんやけど、淳太くんにそんな気配は全く無くて。




ただ単に隠すのが上手なだけなのかもしれない。



けど、もしかしたら本当にいないのかもしれない。






ほんまに、淳太くんの " それだけ " がわからないんや。









「どうしたん？さっきからボーッとして」





ハッと気付いた時にはもうすでに注文した料理とお酒が目の前に来ていて、



そして怪訝そうな顔をした淳太くんが俺の顔を覗き込んでいた。






あぁそうやった。俺は今、淳太くんと2人で飲みに来てるんやった。








「なんもない、飲も飲も！」


「はぁ…ホンマに昔から変わらへんな、照史は」


「どういう意味？」


「なにを悩んでるのかは分からへんけどな、なにかを悩んでるのかは分かるで」





あぁもう…これ以上好きにさせんといてよ、あほ。






「ま、無理すんなよ」




淳太くんはその一言だけ言うて、お酒の入ったグラスに手を伸ばした。





その仕草だけでもやっぱり大好きで。








「ありがと、淳太くん」




でもまだ聞かないでおこう。まだこの関係を壊したくはないから。









「…ねぇ、」




淳太くんは





「…やっぱなんでもない」







誰かに恋してる？



(END)

僕は君に恋してる（青×赤）→←いくつもの恋が眠って（紫×桃）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す