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side.赤
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赤「つ…… ッ 、ぅ」
間一髪で、なんとか間に合った。
まさか朝からこんな目に遭うなんて。ひどすぎる。
赤「んーっ！ … っはぁ 、」
強すぎる波に何度も襲われて、その度に声が漏れるのが苦痛やった。
前屈みになってどれだけ痛みを逃がそうとしても、ぎゅるぎゅるは少しも治まらない。
… やばい、学校間に合わへんかも。
お腹から手を離してスマホを見る。
少なくともあと5分でここを出ないと遅刻するのは確実。
けど、
赤「ふぅぅ…… うっ、！！」
" グリュルルルルッ！！
ギュルルルルルルーーーーーーッッ！ "
お腹から手を離しただけでこの有様。
いつもより、ずっとずっと酷い下し方やった。
やばい、やばい、 どうしよう。
体調も、学校も。
クラスメイトのこと、頼りにすればよかった。
でもここまで酷いとは自分でも思ってへんくて。
赤「っう…… ぐぅッ、」
… でもだめや、ほんまに止まらへん。
そんな時やった、
桃「… だいき？ おる？」
望の声が個室の外から聞こえたのは。
桃「俺、同じバス乗っててさ。 まだキツい？ ここで待ってるより先行って担任に言うておこうか？」
ずっと待っててくれたんや。
ずっと気にかけてくれていた。
赤「………… 神様？」
桃「ふはっ、大袈裟やて。 … 大丈夫？」
赤「お腹ほんま調子わるい」
桃「一応、担任には伝えとくけど今日無理そうやったらそのまんま帰ってもええからね」
ノートはお任せを、と言い残して望がこの場を離れる。
カイロよりも何よりも
赤「…… ありがとう、」
その優しさがあったかくて仕方なかった。
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作者名：モム
| 作成日時：2024年1月9日 0時
