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side.赤
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やけど、受験の時と今回はそれが出来なかった。
ボロボロの受験結果とボロボロのテスト結果。
もう二度と同じことは繰り返さないようにって、高校受験のことは自分の心の中の奥深くに隠したはずやのに。
また、同じことを繰り返してしまった。
身体の弱さは努力でどうにか出来るものやないってことは分かってるけど。
俺、こう見えて負けず嫌いやからさ。
こういうのすっごい悔しくて。
けど、
赤「っ… なんで、」
絶対に一桁やと思っていた点数はギリギリ二桁やった。
文章がメチャクチャな記述問題にはこれでもかっていうくらい細かく部分点が付けられていて、
とめ、はね、はらい が最悪なことになっている漢字の書き取り問題にさえも丸が付いていた。
この点数じゃ成績に余裕がないことに変わりはないけど、
それでも
赤「こんなっ……」
泣きそうになるくらい、嬉しかった。
体調が悪かったのか、と重々しい口調でたこが言う。
赤「… すみません、少しお腹を壊してしまっていて」
あぁ、余計なこと言うた。
そんな情けない理由で、って。
カイロを貼っておくと良い、だとか
腹巻きをしておくと良い、とか。
予想に反して、たこはそんな言葉を掛けてくれた。
どれも全部やってることやったけどね。
赤「…っ、！」
" いつも飲んでいるイチゴミルクも、テスト前には程々に。"
俺のことなんて普段少しも見てないと思ってたけど、たこはちゃんと見てくれていたらしい。
いちごみるく、なんて可愛い言葉がたこの口から出るなんて思わへんくてちょっと笑ってもうたけど。
次は頑張るように、と言ってたこはそのまま職員室に戻って行った。
桃「大毅！」
赤「あ、望」
教室に戻る途中で、心配そうな顔をした望と合流。
桃「なんか言われた？ 大丈夫？」
赤「……」
俺の周りにいてくれる人たちは、みんなびっくりするほど優しい人。
あのたこでさえも。
赤「… ううん、」
桃「そう？ それならええけどさぁ」
なんでやろう、
赤「のぞむ、」
桃「うん？」
赤「いちごみるく買いに行かへん？」
桃「俺はカフェラテ！」
俺が可愛いからかなぁ？
(END)
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作者名：モム
| 作成日時：2024年1月9日 0時
