・ ページ16
side.赤
_
どれだけ解熱剤を飲んでも、どれだけ下痢止めを飲んでも、全部吐いてまうから意味がなかった。
俺、一人暮らしやから姉ちゃんに連絡して、病院連れて行かれて点滴されて。
赤「… うん、もうだいぶ良くなったから大丈夫。おかんにも元気なったって言うといて」
3日間寝込んで、ようやく体調も落ち着いてきた。
姉ちゃんが帰った後でお昼ごはんのことを全く考えていなかったことに気付く。
赤「… なんも買ってへんよなぁ、」
普段、あんまり食べへんから買い置きとかもしてなくて。
うどんくらい買っておけばよかった。
赤「……」
仕方なく、飽きてきたゼリーを食べる。
ゼリーも残り3つ。
… そろそろ買い物にも行かなあかんなぁ。
外に出るのも面倒やなぁ、
学校、行きたくないなぁ。
これからのことを考えただけでもう頭が痛くなりそう。
お腹ぶっ壊して、ピーピーさせながらテスト受けて。
赤「っ…」
あーあ、思い出しただけでも嫌になる。
今はなんとか落ち着いてるお腹。
またいつ暴れ出すかは分からへんけど。
あれだけ酷かったのに、テスト終わって少し休んだらこれ。
きっと今回のは焦りだとかそういうストレスとかもあったんかなぁ。
赤「あ…」
と、冷蔵庫の端っこの方にいちごみるく発見。
あぁ、そういえば。
保健室にいた時、望にお願いして買ってもらったんやった。
結局、一口も飲まれへんかったけど。
赤「……」
もう過ぎてるとは思うけど、一応賞味期限を確認しておく。
そしたらさ、
" 健康祈願！！ まけるな！！ "
って。 右下のところに、望の字で。
赤「… 負けるな、て」
あほ、こんな分かりにくいところに小さく書くから気付かれへんかったやんけ。
それに、
負けてもうたし、俺。
ボロ負け。
望が書いてくれたお守り、気付かれへんかったから。
赤「…… 飲めばよかったんかなぁ、」
飲まなくてもあれだけピーピーなんやったら、別に飲んだってよかった気もする。
(next)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モム
| 作成日時：2024年1月9日 0時
