ルームライト（ヒモ） ページ6
※ こちらもツイッターの方でちょこちょこ書いてる「正社員の赤くんとヒモの青くん」シリーズです。こうやってちゃんとお話にするのは初めてかも！
side.赤
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赤「…」
電車の中。
胃腸の不快感に負けそうになりながら、ギュッと吊り革を握り直す。
具合が悪すぎて早退する羽目になった。
午前中、ずっと胃がムカムカしてんなーって思ってたら段々気持ち悪なってきて。
パソコンの画面も、自分に掛かってくる電話も、いちいちコピー取りに行くのも、 もう全てが最悪で。
胃の中をぐちゃぐちゃにかき回されているような感覚と、グラグラする視界。
会社のトイレで1回吐いてしまってからはあっという間に誤魔化しきれないほどの体調の悪さ。
上司にその旨を話そうとすれば「顔色が悪すぎる。白を通り越して透明に見える」と訳の分からない心配をされて、半ば強引に早退させられた。
まぁ、あのまま仕事しとっても半分も進まへんやろうし、最悪ぶっ倒れてたかもしれへんからありがたかったけど。
… それにしても。
赤「ふぅー…」
平日の昼下がりやというのに車内は座れへんほどに人がいる。
腹立つ。
こっちは具合悪いんやから座らせてほしい… なんて言えるわけもなく、ただただ駅に着くのを待つだけ。
赤「はぁっ…」
なんか熱も出てきたっぽい。
身体が嫌な感じに火照っとる。
でもお腹らへんは冷たい気がして。
たまに朝、電車内で具合の悪いお客様の救護活動を…… とかなんとかで遅延しとってさ、
その度にいっつも、そんなに具合悪いんやったら無理して電車乗らんでもええやんかとイライラしとったけど。
赤「……」
今ならその無理する気持ちもちょっと分かる気がする。
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作者名：モム
| 作成日時：2022年9月25日 18時
