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side.桃
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赤「あれ、みんなは？」
桃「撮影、再開したって」
20分ほどして、しげは車に戻ってきた。
赤「えっと、小瀧は…」
桃「もしかしたらしげからSOSが来るかと思って待機してた。 俺らはまだ時間あるからへーき」
赤「あ…」
ごめん、と何故か謝って隣に座ってくる。
桃「体調どう？」
赤「うん。 やっぱスッキリした」
ちょっとまだクラクラするけど、 と言って俺に凭れてきた。
全然あかんやんけ。
桃「もうちょい安静にしといたら？ 俺もまだここにおるし」
赤「そーする 、」
しげの頭がそのままずるずる、と下がってきて俺の太ももが枕になった。
桃「……」
これって、まるで。
桃「… 昔も、こんなことあったなぁ」
赤「ん？」
桃「しげ、昔ブログに書いてたやろ？ 俺の太ももを枕にしたり、お腹を枕にしたりしてたこと」
赤「えっ」
そんなんあったっけ、とでもいうような表情。
…ったく、なんですぐ忘れんねん。
桃「俺はよう覚えてんで、金木犀のほうがいいだとか小瀧の太ももなんてちっとも嬉しくないだとか」
赤「…」
桃「なに笑ってんねん」
赤「いや？ よう覚えてんなぁって」
くふくふと肩を揺らしながら笑っとる。
変わった変わったと言われがちなしげやけど、こういう笑顔は少しも変わらない。
赤「すごいよ、小瀧」
グッグッ、と勝手に太ももを掴まれて足の角度を変えられた。
寝やすくするためやろ？ ほんま、なんっも変わってへんな。
桃「そろそろ10周年迎えるわけやからさ、昔のことを振り返るのもエモくてええかなって」
赤「雑誌の取材でもそういう昔と今！みたいなこと聞かれるの多なってきたしな、」
桃「昔のことなんて何も覚えてへんのちゃう？」
赤「失礼やな、覚えとるわ」
いや、まぁたまに忘れとることもあるけど… と付け加える。
赤「大人になったなぁ、小瀧」
桃「なんやそれ」
赤「前はさ、俺が倒れたりすると泣きそうになってテンパったりしとったのに」
桃「慣れたんですー、こんなこと慣れたくはなかったんですが」
赤「ごめんごめん」
他のみんなが撮影中やってことも、しげが本調子やないってことも忘れて、 2人して昔の話で盛り上がった。
桃「しげの方こそ、めちゃめちゃ大人になったと思うけど。 やりたい事も見つけてさ」
また、お互いに肩を揺らしながら。
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作者名：モム
| 作成日時：2022年9月25日 18時
