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side.桃
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別に「好きです」って告白したわけやないの。
もちろん告白されたわけでもないし。
ただ、なんとなく。
俺が大毅のこと好きなんは本人にバレてると思うし、大毅も… うん。
俺のこと、ちょっとは特別に見てくれてると思う。
ほんまになんとなく。
そういう雰囲気があるだけやけど。
桃「大毅？」
赤「ん？」
でもそれが大切やったりするやんか。
桃「無理してへん？」
大毅は特にそう。
恋愛だとか、そういうのに縛られたくないんやろうなって分かるからさ。
赤「何が？」
桃「いちごみるく。 さっきからずっとお腹さすってるやん」
ほんまは俺のこと、ちゃんと好きになってほしいんやけどね。
今はまだ、それは自分の胸の中にしまって。
赤「可愛いやん、いちごみるく」
桃「まぁ… そうやけど」
赤「お腹は犠牲に出来る」
桃「犠牲にせんといてよ」
ぎゅるぎゅるーって、もう悲鳴あげてるやん。
それでもまだストローくわえて、いちごみるく摂取して。
そんなんしてたら
赤「…… お腹しんだ、」
そりゃあこうなるのよ。
桃「随分と攻撃的ないちごみるくやなぁ…」
赤「げんかい」
ほけんしつ、と呟いて教室から出て行った大毅。
大毅が理想とする「可愛い」を保つのはほんまに大変なんやと、見ていていつも思う。
桃「… あっま 、」
机の上にぽつんと置かれたいちごみるくを一口飲んでみれば想像以上に甘ったるかった。
大毅がいつも飲んでるいちごみるく。
桃「はぁー…」
別にいちごみるくがなくたって、ぜんぜん可愛ええのに。
(END)
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作者名：モム
| 作成日時：2022年9月25日 18時
