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side.桃
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桃「朝早いなぁ」
赤「望もやん」
登校時間まであと40分はある。
まだ、2人きりの教室。
俺の大好きな朝の時間。
桃「なんで今日早く来たん？」
赤「色々溜まってるやろうなって。プリントとか」
桃「うん。 4日も休んどったら流石に溜まるて」
赤「だるいー」
大毅が学校に来る時間って、ほんっまにバラバラやからこの朝の時間ってめちゃめちゃ貴重やの。
大毅が朝早く来そうやなって思って頑張っても、向こうは遅刻ギリギリに来たりとか。
俺の勘もたまには外れる。
連絡しても返事は殆ど来うへんし。
桃「でもノートのコピーは全部取ってあるし、プリントも分かりやすくまとめてあるやろ？」
赤「完璧やと思います」
ありがとー、 と目線はプリントに向けたまま言う大毅。
伸びた前髪がめちゃくちゃええ感じ。
可愛ええなぁ、なんてしみじみ。
まぁ、大毅の「可愛い」はちゃんと計算し尽くされてるものなんやけど。
計算というか、もはや依存かも。
大毅は「可愛い」に病的にこだわるから。
桃「でもなんで4日間も、」
赤「お腹にくる風邪やって」
桃「胃腸炎？」
赤「お医者さんにはお腹にくる風邪やって言われた」
桃「何が違うんやろう…」
赤「言い方の問題」
桃「お腹にくる風邪の方が可愛ええって？」
赤「そういうことぉ」
冬服に移行するにはまだほんの少し早い気もするけど、大毅はもう既にブカブカのセーター着とる。
桃「お腹痛いのにそんなん飲んで」
赤「まだ一口しか飲んでへん」
桃「そういう問題？」
ふたくちめ、と大毅がいちごみるくに手を伸ばす。
紙パックにストローさして。
ピンク色の紙パックにピンク色のストロー。
赤「可愛ええからえーの」
そりゃあ確かに、何もかも可愛ええけどさぁ。
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作者名：モム
| 作成日時：2022年9月25日 18時
