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side.赤
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青「あの目玉トーストにあたった時とどっちが辛い?」
赤「…」
はぁー、またこいつは。
こんな時にそんな気持ち悪いこと思い出させないでほしい。
赤「めだま」
あの時はほんまに救急搬送される一歩手前やったから。
青「俺と大毅を繋いだ運命の目玉トースト」
赤「気持ち悪い」
卵が傷んでいたとも知らずに適当に目玉焼きを作って、適当に食パンに乗っけてそのまま食べたら見事に食あたりを起こして駅で大変なことになった話ね。
あれ以来、卵が食べられなくなって。
材料として入っているのは平気。
スクランブルエッグだとか卵焼きなんかが無理。
目玉焼きに関しては、見たら悲鳴をあげたくなる。
そもそもあの日、目玉焼きなんか食べなければ流星に会うこともなかったのに。
青「目玉トーストから全ては始まった」
赤「…」
青「エピソードオブ目玉トースト」
赤「黙ってくれへん?」
今、こんなに腹が立つようなこともなかったはずやのに。
ただ、
赤「… 洗濯機って、」
青「回した」
赤「… ありがとう」
青「なんか飲む?」
赤「ぬるい水」
青「常温の水ね」
赤「いちいち言い直さんでええやん」
今みたいな状況をたった1人で過ごすのはかなりキツい。
その点に関してだけは、うん。
赤「……… 流星、」
青「うん」
赤「部屋の光、眩しい」
青「アイマスク使う? この前ふわふわのひつじの買った。もちろん大毅のお金で」
赤「いらん。 勝手に買うな」
青「電気消す?」
赤「いい」
青「眩しいんちゃうの?」
赤「お前が、」
ありがとう、って思うけど。
赤「お前が 、手で隠してくれたらええんちゃうのっ…」
青「さっきみたいに?」
赤「…」
青「はいはい」
バカみたいに顔があっついのは絶対に熱が高いせい。
少しひんやりとした流星の手がそっと俺の目元に触れる。
ほら、
青「おやすみ」
もうすぐに眠れそう。
(END)
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作者名:モム | 作成日時:2022年9月25日 18時