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side.黄
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黄「……」
… 1時間くらい経ったやろうか。
体感的には何時間も経っているような気がするけど。
しげのお腹は徐々に落ち着きを取り戻してきたらしく、時折小さく水音が響くだけになった。
彼はこの数時間でどれほどの水分を失ったのか。
出てきたら何がなんでも水分摂らせな。
はぁー、はぁー、 と苦しげな呼吸が繰り返される中、
赤「… じゅんた 、 おる………？」
不意に中から呼ばれた。
黄「しげ、お前大丈夫か？」
赤「……」
黄「しげ？」
とりあえずドアを開けてくれ、と言い終わるよりも先に
赤「ごめん… 吐いてもうた、」
と、ドアが開いた。
黄「……」
もう言葉にならない。
しげは憔悴しきっていた。
着ていたアウターで咄嗟に嘔吐物を受け止めたのか、手にはドロドロになったアウターを持っている。
黄「… ええから。一旦出てこれるか？」
まず最初にドロドロになったアウターをどうにかせなと思ってゴミ袋を取りに行こうとしたんやけど、
ごめん、と声がして慌てて振り返る。
黄「…… え？」
しげはヘラヘラと笑っていた。
無意識なのか、なんなのか。
赤「っ… おれ、もうむりかも………」
あかん、と思った時にはもう遅かった。
黄「おい…っ！」
しげの身体がスローモーションみたいにぐらりと傾いて、
黄「しげっ！！！」
そのまま崩れ落ちるように倒れ込んでしまう。
もう、意識さえも飛ばしてしまっていた。
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作者名：モム
| 作成日時：2022年1月23日 12時
