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side.黄
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赤「……」
静かな水音が断続的に聞こえ始めてからしばらく経って、しげがトイレから出てきた。
その顔は酷く苦痛に歪んでいて、身体はほぼ90度に曲げられている。
黄「落ち着いたか?」
赤「…」
黄「ずっと調子悪かったんか?」
確かに疲れてるんやろうな、とは思ってたけど具合が悪いようには見えへんかったのに。
赤「……」
しげは何も答えなかった。
トイレから出てきたまんま、その場でお腹を抱え込むようにして動かへん。
水分を摂らせようにも、それが出来るような状態やなかった。
赤「……… ぁ、」
それからどれくらい時間が過ぎたやろうか。
赤「っう… だめや、」
急にしげの身体が跳ねて、再びトイレに入っていった。
赤「あぁっ…… うぅ 、」
また、断続的に聞こえる静かな水音。
一体どうしたんやろうか。
黄「… にしても寒いな、」
それもその筈やった。
こんな真冬の、しかも夜中に廊下で何十分も突っ立ってるんやから。
黄「… ふぅ」
いよいよ寒さに耐えきれんくなって、リビングに移動した。
暖房もつけて。
俺がいつまでもトイレの前におったってしゃあないし。
黄「…」
待つだけって、とてつもなく長く感じる。
… ホットミルクでも作るか。
少し甘めのホットミルク。
黄「はぁ、」
一口飲んで、ほっとする。ホットミルクだけに。
まぁそんなん言うてる場合ちゃうけど。
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作者名:モム | 作成日時:2022年1月23日 12時