検索窓
今日:15 hit、昨日:21 hit、合計:103,054 hit

ページ7

side.黄
_


赤「……」




静かな水音が断続的に聞こえ始めてからしばらく経って、しげがトイレから出てきた。




その顔は酷く苦痛に歪んでいて、身体はほぼ90度に曲げられている。







黄「落ち着いたか?」


赤「…」


黄「ずっと調子悪かったんか?」




確かに疲れてるんやろうな、とは思ってたけど具合が悪いようには見えへんかったのに。







赤「……」




しげは何も答えなかった。




トイレから出てきたまんま、その場でお腹を抱え込むようにして動かへん。





水分を摂らせようにも、それが出来るような状態やなかった。





赤「……… ぁ、」




それからどれくらい時間が過ぎたやろうか。










赤「っう… だめや、」





急にしげの身体が跳ねて、再びトイレに入っていった。





赤「あぁっ…… うぅ 、」




また、断続的に聞こえる静かな水音。






一体どうしたんやろうか。








黄「… にしても寒いな、」




それもその筈やった。





こんな真冬の、しかも夜中に廊下で何十分も突っ立ってるんやから。





黄「… ふぅ」




いよいよ寒さに耐えきれんくなって、リビングに移動した。




暖房もつけて。






俺がいつまでもトイレの前におったってしゃあないし。




黄「…」







待つだけって、とてつもなく長く感じる。





… ホットミルクでも作るか。




少し甘めのホットミルク。





黄「はぁ、」




一口飲んで、ほっとする。ホットミルクだけに。







まぁそんなん言うてる場合ちゃうけど。



(next)

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (433 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
428人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:モム | 作成日時:2022年1月23日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。