重岡事変 (ページ45)

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side.黄
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結局、救急車を呼んでしげはすぐに緊急搬送された。

黄「……」

この惨状をそのままにしとく訳にもいかへんから、俺は家に残ったけど。

黄「っ…」

… ほんまに酷い有り様や。

全て片付け終わるのに何時間もかかった。

黄「…… はぁ、」

片付け終わっても、あの光景がどうしても忘れられへんくて。

食欲なんてある訳ないし、

シャワーを浴びても、ベッドに入っても、何度も何度も思い出してしまった。

あそこまでの状態のしげなんて、見たことある筈もなかったから。

食あたりを起こして、ご飯が食べられなくなって、吐けなくなって。

… ほんま、ずっと具合悪いやん。

終いにはあんな事になってもうて。

黄「……」

今日は寝れないやろうなって思っとったけど。

身体は案外疲れとったみたいで、いつの間にか意識はなくなっていた。

その日、

なんかよう分からへん夢を見た。

しげが出てきたような気がする。

なんにも覚えてへんけど。

黄「… は？」

次の日、起きるとしげのことで連絡が入っていた。

大量の下剤を服用したこと。

そのせいで腸が酷く炎症を起こしてしまっていること。

動けるどころか、会話すらもままならない状態だということ。

黄「……」

病的な程の " 吐きたくない " の気持ちが、今回のこの下剤の大量摂取に繋がってしまったのかもしれない。

きっと今、しげの心はボロボロ。

… あいつ、なんか不憫なとこあるよなぁ。

そんで俺も、

あいつの心配ばっかしてんのな。

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