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side.黄
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しげを家に連れて帰ってきた。
アウターは、もちろん口実。
仕事で会った時に普通に渡せば済む話やったけど、こうでもしないと来てくれなさそうやったから。
家に連れてきた理由、は…
まぁ色々あるけど。
黄「しげ、ゴミ箱ここ置いとくから」
赤「…」
我慢出来ずにたまに吐くから、もう既に何枚かタオルを駄目にしてるしげ。
その度に泣きそうな顔をして。
こんな状態やったらゴミ箱になんて吐かれへんやろうけど、一応。
相変わらずタオルで口元を押さえながらソファーに沈み込んで吐き気の波に怯えとる。
そんなしげを気にしながら、俺は服を着替えたり手を洗ったり。
黄「…」
病院で吐き気止めでも打ってもらった方がええんちゃうか？ なんて考えたり。
赤「…… じゅん、た」
黄「ん？ どうした、」
赤「… のど、かわいた…」
黄「あぁ、そうやんな。ごめん」
とりあえず常温の水を手渡しながら、後で買い出しに行った時に買うものを頭の中でリストアップしておく。
黄「……」
" 嘔吐恐怖症 " という言葉は耳にしたことがあった。
さっきから少しずつ調べてみてはいるんやけど。
きっと、あの時。
ロケ先で吐いてもうた時のことが原因で、今こうなってるんちゃうかなって。
やって、
あの時のあんなしげの顔、初めて見た。
黄「……」
… 悔しかったんやろうなぁ。
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作者名：モム
| 作成日時：2022年1月23日 12時
