重岡事変 (ページ28)

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side.赤
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頑張れなくなったのは、それからすぐのことやった。

よりにもよって、淳太との仕事の日。

赤「っふ…… ぅ、」

割と久々な気がするロケ。

張り詰めたお腹は息をするだけで痛くて、目を閉じていても開けていても身体がフワフワしてる感じがする。

黄「……」

無理をしてもいいのか、もう限界なのか。

ここまで来ると、もう何がなんだか自分でも分からへんくて。

相変わらず頭も回らない。

相変わらず吐き気の波が頻繁に来る。

赤「わぁ……… 美味しそう、」

そんな中、ロケで訪れた街の小さな定食屋さん。

俺のじいちゃんと同じくらいの年齢の方がたった1人でやってはるお店で。

大盛りやのにめちゃくちゃ安い。

地元の方に愛され続けとる、とか。

そんな感じの内容で紹介されとった。

赤「……」

そして何より、じいちゃんにほんまよく似てる。

顔が、とかやなくて。

雰囲気なんかな、安心してまうっていうか。

やからさ、頑張ろうって思ったの。

体調が悪いです、だから食べられません。

なんて絶対に言いたくなくて。

まぁその結果、

赤「ゲホ……ッ！！ぉえっ、ごほっ…」

1番やったらあかんことしてもうたんやけど。

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