ボクら。 (ページ9)

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8. ページ9

side.赤
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なんか最近、調子悪い。

頭が回らへんというか。

朝起きた時に頭痛くて、しばらくすると治まってくる。

赤「… ふぅ、」

疲れてるんかな。

そろそろテスト期間やのに、なんか嫌な感じやなぁ…

気合入れ直さな。

赤「…500円以内って言うたのに」

桃「オーバーした分、ちゃんと払おうとしたやん！やのにしげが…」

赤「アホ、あんなレジんとこでモタモタしとったら後ろの人に迷惑やろが」

桃「とにかくご馳走さまです！！！」

赤「…」

まぁ別にええけど。

目の前でフラペチーノの生クリームを頬張る小瀧を見とったらなんか元気出てきた。

そう考えると600円くらい安い気がする。

…って、それは流石に人が良すぎるか？

赤「… さて、」

桃「えー、もう始めるん？」

赤「俺は始める」

ついでにテスト勉強しに来た俺たち。

小瀧の顔が嫌そうに歪む。

桃「…真面目やなぁ、」

前から思ってたんやけど、小瀧ってフラペチーノ飲むのクソ遅い。

高3で知覚過敏なんか。

桃「しげって一般なんやっけ、」

赤「うん」

桃「…すごいな」

赤「そうか？」

桃「やって受験勉強めちゃくちゃするんやろ？」

赤「まぁそうなるよな」

桃「…やっぱすごいわ」

やたら「すごい、すごい」と言ってくれる小瀧。

すごいと言われて悪い気なんかしないし、

寧ろ、すごいと素直に他人を褒められる小瀧の方がすごいと思う。

桃「…俺は指定校推薦狙ってるんやけどさ、」

赤「言うてたな」

桃「まだ行きたい大学決まってへんのよね」

赤「まぁ明確にするのもなかなか難しいよな。 ……… ッた、」

桃「ん？どうかした？」

赤「… いや、」

パッと顔を上げた瞬間、ズキンッ！と頭に強烈な痛みが走る。

赤「…」

ドクンドクンと心臓の鼓動が早くなって、それで…

赤「…… なんでもない、」

ううん。

違う違う、それはただの俺の思い込み。

そんなん、あるはずないって。