ボクら。

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side.桃
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高2の冬、ってなんかめっちゃ青春な感じする。





なんでかは分からへんけど。







赤「…この木 、めっちゃ寒い」


桃「え、どゆこと」


赤「いや。 なんかさ、このクソ寒い時に枯れた木見ると余計に寒なんねん、」


桃「分からんでもないけど」





マフラーでぐるぐる巻きのしげが見上げとるのは、1本の大きな桜の木。






ちょうど俺としげの家の真ん中くらいの距離にあって、俺らが待ち合わせするのはいつもこの場所。





ちょっと丘っぽくなってて、なんか雰囲気ええの。









桃「… 桜の木、やんな？」


赤「春はピンクやったからそうちゃう？」


桃「なにその基準」


赤「大体そんなもんやろ」


桃「なんで1本だけなんやろうな」


赤「知らん。 …うわ、冷た」





木をペタペタ触りながら嫌な顔をするしげ。






桃「触るからやん」


赤「なんか触りたくなんねん」


桃「子どもか」


赤「17はまだ子どもやろ」


桃「…そっかぁ、」





俺の呟きに、しげがくるりと振り返る。









赤「…嫌なん？」


桃「え？」


赤「まだ子どもなの、嫌なん？」


桃「…うん」


赤「そっか、」


桃「なんか…… いや、なんもない」


赤「なんやねん」







子どものままは嫌やけど、どんな大人になりたいかは分からへん。





やから、この時なんて言うたらええのか分からへんかったの。

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