どうせ愛なんて

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side.桃
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桃「え、あの…」


緑「乗って」





ほんまに来てるやん。






桃「あの、どこに…」


緑「運転しながら話す」


桃「あ…」




もはや誘拐。





なんだかんだで乗せられて、行き先も分からないままどこかに連れて行かれる。









桃「あの…っ！！！」


緑「大毅ん家」


桃「へっ…」


緑「行き先は、大毅ん家」


桃「ちょ、ちょっと待ってください！」


緑「無理」


桃「なんで俺を…っ、」


緑「無理やったから」


桃「…え？」


緑「俺じゃ、無理やったから」






この車内で何回「ちょっと待って」と言ったやろうか。







緑「この2階の角、大毅の家やから」


桃「ちょっと待ってください…っ！ なんも説明されてないんですが！！？」


緑「これ、鍵。 今度会った時に返してな」


桃「大毅さんの家の、鍵…」


緑「俺ら上京してるから。 そん時に交換したんよ、ただの生存確認みたいなもんやから深い意味はないで」


桃「… なんなんですか、」


緑「…」


桃「前はっ、自信無くすようなこと俺に言うたのにっ… 急に大毅さんの家連れてこられても……っ！」


緑「…うん、そうやね」


桃「俺の気持ちも考えてくださいっ…」






神山さんのことが分からない。




敵なのか、味方なのか。









緑「… でも、望くんにしか頼めへんの」







なんでそんな、




悲しい顔をするのか。

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