どうせ愛なんて

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side.桃
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桃「大毅さん」


赤「… そんなこと、言うた？」


桃「はい。 覚えてないですか？」






押せ、 押せ、




頑張れ、俺！！









赤「…」


桃「…俺に会いたくて、電話しようかと迷ってたから」


赤「……」


桃「って思ってまうのは、ただの自惚れですか…？」







やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい。




俺、なんてこと言うてんのー？！









赤「のぞむくん」


桃「っ、はい…」


赤「俺さ、今酔ってる」


桃「…」


赤「やから酔っぱらいが変なこと言うてる、思て聞き流してくれて構わへんねんけど…」





嘘や、




大毅さん、お酒の匂いせぇへんよ。






あの転がってる缶は今日のもんやない。









桃「え…」





突然、ふわっと身体に柔らかい感触。







桃「…」




大毅さんに抱きしめられている、と気付くのに少し時間がかかった。









赤「へたくそやねん、俺」


桃「なにがですか、」


赤「生きるの」


桃「生きるのが下手なんですか」


赤「うん。 普通やない、普通に生きれてない」


桃「…」







俺を抱きしめたままの大毅さんの声は少し震えていた。

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