どうせ愛なんて

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side.緑
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俺がそばにおっても、大毅の体調は良くならへんみたいやった。






大学には来てる。




やけど、あの時みたいに覇気が無い。





ごはんもろくに食べてへんのか、以前にも増して痩せたような気がする。






このままやと栄養失調で倒れかねない。









緑「大毅、」


赤「んー？」


緑「大丈夫？」


赤「うん」


緑「さっきの空きコマもずっと寝とったしさぁ…」


赤「ん 、 ねむたくて」


緑「夜、ちゃんと寝れてるん？」


赤「んー…」


緑「…」






…やっぱりダメなんや、俺じゃ。









その日の夜、




俺は大毅の家で大毅の帰りを待つことにした。






今夜も、大毅はどっかの知らん奴に抱かれている。





緑「っ、」






大毅の家の中は不気味なほど綺麗やった。





家に全然帰ってきてないんちゃうかっていうくらい、生活感が無かった。









緑「…」





そしてようやく深夜3時過ぎ、







赤「へっ…」






大毅が帰ってきた。





赤「とも、なんで…？」


緑「別になんとなく」


赤「なんとなく…」


緑「ごはん、食べれてないんちゃうかなって」


赤「わざわざ作りに来てくれたん…？ あ、でも食材…」


緑「買ってきたから気にせんで」


赤「ごめん、お金…」






大毅の財布の中身を見て、心の底から怒りが湧いてくる。







緑「…いらん 、」





お札、ぎっしり入ってた。




きっと全部1万円札。









赤「え？ でも…」


緑「いらんって」


赤「なんでや、奢ってもらう筋合いないやろ」


緑「いらんって言ってるやろ！！！」


赤「っ…」






それは、




そのお金は、







大毅が自分を犠牲にして手に入れたお金。





そんなもん、受け取れるはずなんかないのにさ。

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