story of love ８

プリンシパルはいつだって君 ４ ページ25

side.橙
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しげの誕生日の2日前。






また始まった。 あいつの悪い癖が。









「重岡くん、一旦メイク行こうか」





顔面蒼白で、冷や汗ダラッダラのしげは休憩がてらメイク室に戻っていった。








桃「…」





望は心配を通り越して少しイライラしとるみたいやし、淳太くんも何か難しい顔しとる。




現場の雰囲気はかなりピリピリしてんなって感じ。








そう、あいつの悪い癖。





体調悪いの隠して、1人で無理しようとする癖。









赤「ふぅ… お待たせしました 、」


橙「しげ、次俺とペアやって」





足元ふらついとるしげをさりげなく支えてやるんやけど、その身体は燃えるように熱い。







橙「お前… あっついな。 燃えてるんちゃうか？」





変に心配してもどうせ誤魔化されるやろうしって思って、冗談交じりで声を掛ければ耳を疑うような返事が返ってきた。









赤「…でも寒いねん 、」


橙「は…」






えっ、まじで言うてんの？









赤「…南極 、おるみたいやもん」


橙「それ冗談抜きでヤバいんちゃう？」


赤「…冗談言うてへんと、 ぶっ倒れる」






想像してたより遥かに具合悪そうなしげをぐっと引き寄せると、ブルブルと震えとって。





気力だけでなんとか笑顔作ってるんやろうなって思うと、胸が締め付けられるような感覚がした。







しげのことを考えると一刻も早く撮影終わらせてやらなアカンのに、






「桐山くん、もっと口角あげてー」




なんて俺が注意される始末。









赤「あきと、俺なら大丈夫やから」


橙「しげ…」





はぁ… ホンマに昔からこいつは。







ぴしゃっと頰を叩いて気合を入れとるしげ。









橙「…よし、」






俺も負けてられへんよな。



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