story of love ７

もう慣れっこなんで ９ ページ9

side.緑
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緑「…ほんまアホちゃう？」




新幹線の中、隣で眠るしげの様子を見ながら軽く毒づいてみる。







" 重岡さん、もうロケ先に到着されてます！"





なんて連絡があったのは今日の朝方。







昨日、しげが入院すると決まってから旅館に戻った俺。





ロケはこのまま中止になるのか、俺1人でやるのか、どうなるんやろうって考えてたらいつのまにか寝落ちしてたわけやけど。







緑「…はい？」





重岡さん、もうロケ先に到着されてます、とは？








緑「無理ばっかりしよって… ほんましばくで」







で、結局げっそりしたしげとロケの続きをして、今は帰りの新幹線の中ってわけで。







緑「…あほ、 あほ」




全ての体力を使い果たしたかのようにぐったりと寝てるしげの頭を優しく小突いたら






赤「んっ…」




まさかの起こしてしまった。ほんま申し訳ない。







赤「ごめ… ねてもうてた 、」


緑「寝てた方がええ」


赤「もー めっちゃねた」




普通に熱あるやろうし、ぽわぽわした喋り方やし、目はいつもの半分くらいしか開いてへんし、もはや心配を通り越して呆れてきたんやけど…








緑「…寒ない？ 大丈夫？」


赤「だいじょーぶ。 もう、ぐあいわるいの慣れっこやねん」





へらーっと笑ってるしげ。







緑「…あかんよ。そんなの慣れっこになってもうたら」


赤「でもここ最近、ずっと調子わるかってん。 やけど、みんながんばってるのに俺だけこんなんなってる場合ちゃうし、置いてけぼりにされたないし、 なんか勝手に焦ってもうて…」





ぽつぽつ、と心の内を話し始める。









赤「気付いたら、こんなんなってた」




そうしてまた笑ってみせる。








緑「げほっげほっ、あー… 寒かったから風邪ひいたかなぁ」


赤「…嘘や。 わざとや、今の」


緑「風邪なんて誰でもひくし、誰だって焦ったりすることはあるし」


赤「…そうなん？」





…あかん、この子。 思考回路が停止しとる。








緑「そうやで。 しげの看病やって慣れっこやから、いつでも任せてーって思っとるよ」


赤「そう、なんやぁ。 ふふ 、安心した」






話して疲れたのか、また眠りに落ちたしげ。





今はずっとそばにおってあげよう。









緑「…今日は俺の家でええよね？」





少しは楽になったのか、すやすやと寝息を立てるしげに小声で話しかければ、少し笑って頷いたような気がした。



(END)

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