story of love ７

微笑みながら 心が泣いていた ５ ページ47

side.緑
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病院に向かう車の中で、ひたすらにしげの介抱をする。






1人でトイレ行って、結局動かれへんくなって、強引に病院に連れて行かれる。






そんなボロボロなしげの背中を優しくさすってあげながら、異様に長く感じる病院までの道のりを焦る気持ちを抑えて待つ。









赤「ごほっ… はぁ 、 ぅ …」





意識も朦朧としたまんま、ずっと吐き続けてるしげの口元に袋を持っていってあげてるんやけど








きっと今のしげは俺がそばにおることすら気付いてへんのやと思う。






それは心の方も一緒。









もう10年以上もずっとそばにおるのに、まだ1人で頑張るんか。








緑「…負けず嫌いやもんなぁ、しげは」






デビューしてから1番変わったのはしげ、なんてよう言われとるけど。





もちろん変わってへん部分もあるわけで。






そんな変わらへんかった部分っていうのは、しげ自身にもどうにか出来る問題やないわけで。









まさに今がそう。






何かを抱え込んでしまって、考えすぎて体調壊して、それをまた必死に隠して無理して限界を超えてしまう。







もう分かってるって。






他のメンバーやって、もうみんな分かってる。









甘え上手そうな性格に見えて誰よりも不器用なところも、人一倍繊細で体調を壊しやすいところも。






もう、大体分かってる。









ただ、今のしげは無理をすることすら出来なくなってる状態。








赤「げほ…っ！ げほっ 、ごほっ…… ぅっ 、」






ただ吐き続けることしか出来ない状態のしげを、ただ介抱することしか出来ない俺。









暗くなり始めた街には、冷たく突き刺さるような雨が降り注いでいた。



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