涙は似合わない君の世界 12 ページ29
side.赤
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口移しされた飴玉は甘く溶け出して、やがて全身にその甘さを伝えてくる。
赤「甘い…っ 、」
ボロボロ泣き出した俺を見て望が慌てたような、でも嬉しそうな顔をする。
桃「せやなぁ、甘いなぁ」
赤「うん、甘いっ…」
飴玉が甘いなんて、そんな分かりきったことをお互いに確認し合う。
甘いと感じることが、
味を感じれることが、こんなにも嬉しいなんて。
望に抱きしめられながら舌で飴玉を転がして、幸せなこの瞬間を噛みしめた。
桃「…やけどほんまごめんな、こない傷つけてもうて」
赤「ううん、俺も望に嫌な思いさせてもうてたみたいやし」
望が俺を抱きしめたまま、耳元で呟く。
桃「これからはもうちょい素直になって」
赤「それは恥ずかしくて無理……かもやけど、頑張る」
桃「俺のこと好きなんやろ?」
赤「もちろん好き、やけど…」
桃「やけど?」
赤「大好き 、 やもん」
ぶわぁっ!と自分の顔が真っ赤になっていくのが分かる。
ついでに言うと、望の顔も真っ赤。
桃「何なんそれ、可愛すぎるて」
気持ちを落ち着かせるためなのか、横にブンブンと首を振った望は
桃「それにしても俺の口移し飴玉すごない? もはや魔法やん」
いつもの得意げな顔をして言うてくる。
何が魔法や…… と一瞬思ったけど、確かに望の口移し飴玉のおかげで味が分かるようになったから魔法って言うてもある意味アリなのかもしらん。
桃「あ、もっとカッコええ言葉思いついたから今から言うな」
赤「は…」
桃「たくさん傷つけてもうた分、これからは俺がずっと大毅のこと笑わせたるよ」
口の中の飴玉はもう随分と小さくなってしまった。
やけど、
桃「大毅の世界に、涙は似合わへんからさ」
まだ甘さは十分に残っている。
(END)
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モム(プロフ) - けーた。さん» リクエストありがとうございます〜( ; ; )移行先で書かせていただきますね…! (2018年11月14日 21時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - こんばんは。モムさんのお部屋で見てみたいお話が出てきたのでお邪魔しました;リク可能でしたら黄×赤で雑誌の立位置エピが絡んだ可愛らしいお話をお願いしたくて。黄色さん大好きな赤さんと内心自慢したくて仕方ない黄色さん…そんなお話ですがお願いできますか?^^ (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - ちょこさんさん» コメント、リクエスト共にありがとうございます…! ぜひ書かせて頂きますね(^。^) (2018年11月8日 1時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこさん - いつも楽しく読ませていただいております。リクエストなのですが、赤さんが本当に体調が悪いのにメンバーは嘘だと思って信じなくて、、、みたいな話を読んでみたいです!もしよろしければよろしくお願いします(・・*)これからもひっそりと読ませていただきます〜! (2018年11月5日 0時) (レス) id: fbde2448b3 (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - けーた。さん» そう言って頂けて嬉しい限りです〜〜(;_;) (2018年10月26日 1時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モム | 作成日時:2018年8月28日 22時