story of love ５

涙は似合わない君の世界 １０ ページ27

side.桃
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桃「あの、さ……」


赤「どうしたん…？」






最後に大毅と言葉を交わしたのは今日の朝やったな。





俺が1番初めに来たんやけど、次に来たのがまさかの大毅で。







「おはよう」と声をかけてくれたのにも関わらず、具合悪そうな大毅に向かって



「体調管理もしっかり出来ないなんてどうしようもない」とか、「絶対に迷惑かけんといて」とか言うてもうたんや。







ごめん、と悲しそうに笑って大毅はどこか行ってもうたんやけど、大毅が病院に運ばれたって聞いて俺が原因やんって確信したんよね。





こない酷いことばっかり言うてもうたのに今さら謝って許してもらおうなんて甘すぎる、って自分でも思ってたんやけど…









赤「ほんまごめんな」






先に口を開いたのは大毅で、しかも想像もしてへんかった言葉やった。









赤「望に体調のこと注意されとったのに、こないなことになってもうて……っ、はぁ、」






顔を歪めて胃のとこを押さえる大毅。









桃「ううん、謝るのは俺のほう！！ 大毅がこんなんになるまで追い詰めてもうたんやもん…」






そんな大毅のことが心配で、慌てて駆け寄って背中をさすってあげる。









赤「いっ… ぅ、はぁ…っ、」


桃「胃そんなに痛むん…？」


赤「ごめん、 のぞむ…っ」





俺の手をぎゅっと握りながら痛みに耐える大毅は、見るに耐えへんくらいに痛々しくて。








久しぶりにこない近くで大毅のことを見て、改めて感じた。







肌は荒れたままで目は落ち窪んでもうてる。





頰は窶れて、一気に体重が落ちてもうた感じ。









大事な大事な大毅のこと、なんでこない傷つけてしまったんやろう。








やるせない気持ちをグッと押し殺して、痩せ細った大毅の身体をそっと抱きしめた。



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