涙は似合わない君の世界 9 ページ26
side.赤
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胃の中をぐるぐるかき回されているような嫌な感覚で目が覚めた。
橙「気分はどうや?」
赤「…すっごい、気持ち悪い………」
出した声は掠れていた。
赤「う…っ、」
背中が波打つたびにお腹にも力が入ってもうて、そのせいでキリキリと胃が酷く痛む。
橙「軽い栄養失調やってさ。 強いストレスからきたものやろうって」
情けない、情けない。
望にフラれたからって、こないなことになるなんて。
橙「胃も痛むんやろ? 大丈夫か?」
断続的に痛む胃のせいで、声を出すのも辛い。
それに、今喋ったらまた吐いてまいそう。
これからどうなるんやろう、俺。
橙「大丈夫やって、きっともうすぐ望も来るやろ」
来るはずがない。
望はもう俺のことなんて、気にも留めてへんはずやもん。
そう考えただけで、またグッと胃の痛みが強くなる。
ついでに胸も苦しくなる。
橙「おっ」
携帯を確認した照史は、何やら嬉しそうに声を上げる。
橙「ごめんやけど俺そろそろ行くな? また連絡するわ」
赤「…あ、うん。迷惑かけてごめんってみんなにも言うといてもらってもええ? もちろん後で直接言うけど……いっ…」
まともに会話すら出来ない。
ほんまに胃やられてもうたみたいや。
橙「うん、ちゃんと言うとくな? お大事に」
眉を下げて笑った照史は ぽんぽん、と俺の頭を撫でてから病室を出て行った。
1人になったらまた色々考えてまいそうやなぁ…と思いながら落ちていく点滴をボーッと眺めてると、
コンコン、と控えめにドアをノックする音が聞こえた。
誰やろう。
赤「……どうぞ 、」
返事をしても中々入ってこうへん。
聞こえへんかったんかな、ともう一度返事をすれば
赤「へ…… のぞ、む…?」
入ってきたのは、今にも泣きそうな顔をした望やった。
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モム(プロフ) - けーた。さん» リクエストありがとうございます〜( ; ; )移行先で書かせていただきますね…! (2018年11月14日 21時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - こんばんは。モムさんのお部屋で見てみたいお話が出てきたのでお邪魔しました;リク可能でしたら黄×赤で雑誌の立位置エピが絡んだ可愛らしいお話をお願いしたくて。黄色さん大好きな赤さんと内心自慢したくて仕方ない黄色さん…そんなお話ですがお願いできますか?^^ (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - ちょこさんさん» コメント、リクエスト共にありがとうございます…! ぜひ書かせて頂きますね(^。^) (2018年11月8日 1時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこさん - いつも楽しく読ませていただいております。リクエストなのですが、赤さんが本当に体調が悪いのにメンバーは嘘だと思って信じなくて、、、みたいな話を読んでみたいです!もしよろしければよろしくお願いします(・・*)これからもひっそりと読ませていただきます〜! (2018年11月5日 0時) (レス) id: fbde2448b3 (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - けーた。さん» そう言って頂けて嬉しい限りです〜〜(;_;) (2018年10月26日 1時) (レス) id: 6ef98410ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モム | 作成日時:2018年8月28日 22時