ボクら

5. ページ5

side.D
_


朝から少し体調が悪くて、学校でも大人しくしてたんやけど

小瀧にバレた。一発でバレた。


訳の分からんうちに強制的に保健室に連行されて、体温計を突っ込まれる。




「しげ？」


そのうち座ってるのもしんどくなってきて

隣に座ってる小瀧にもたれかかった。




「ん…鳴った…」



表示された数字は38.7度。

あーあ、やらかした。




「重岡くん、家に誰かいる？」

これは早退だねー、なんてちゃっかり小瀧に俺の荷物を取ってくるように言う保健室の先生。



「今日は…誰もおらん…気がする……」


確かそうやったはず。




そしたら


「じゃあ俺が家まで送ってく！！」


と小瀧。




凄まじい勢いで俺と自分の荷物を取ってきて、帰る支度をし始める。







「お前…サボりたいだけやろ…」


半ば呆れたように小瀧に言うと





「んなわけないやん！！なに言うてんの？！」


「…え」


「しげが…心配やから送ってくだけやもん！！」





なぜか顔を真っ赤にしてムキになる。



それがなんだか嬉しくて



「ぷっ…なんやそれ…」







少し気分が楽になった気がした。

6.→←4.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す