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☆怪我の功名 ページ26

「いたっ!」
魔物との交戦中、Aの叫び声にエイト達が振り返ると、
肩から胸にかけて傷を負っていた。

「あ…そんなに深くないから大丈夫…」
と言いつつ、Aは肩を押さえているのでうまく呪文がかけられず、もたついてしまう。

近くにいたククールが急いで回復してAの元に行く。
「おい、大丈夫か?」
声をかけるもAは肩をまだ押さえながら下を見ている。
こういう時、Aはいつも笑いながら
「平気」とか「大丈夫!」なんて言って
皆を安心させる癖を知っていたククールは
その様子に不安になり、Aの顔を覗き込む。

「大丈夫なんだけど…」
もごもご言うAの顔が真っ赤だ。
「あのね、服破れちゃって…あんまり見ないで」
合わせようとしない目は少し潤んでいて、
肩を押さえてる仕草はそれ以上服がはだけないようにしていたことに、ようやくククールは気がついた。

「わ、兄貴!ククールがAを脱がそうとしてるでげす!」
「ちょっと!あんた外で何やってんのよ!」
「違うって!なんでオレに対してはすぐそうなるんだよ!」
ヤンガスとゼシカが大きい声で叱るものだから
ますますAは恥ずかしそうに縮こまる。

その様子を見て、居ても立っても居られなくなり、
ククールは自分のマントを外し、Aの肩に掛けた。
「それで宿着くまで隠してな」
「うん、ありがとう!」
泣きそうな目でお礼を言う。
「あたりめーだ、オレはレディには優しいんだよ」
と言うや否やククールはくるりと背を向け、
先頭を行くエイトの方へすたすた歩いて行った。

「なあ、エイト」
「なに?」唐突にククールは小声でエイトに話しかける。
「今までオレには自分から全て見せてくれるレディばかりだったが…」
「ええ…急になんの話」
「恥じらって隠してくるのも悪くないな。むしろ良いぜ」
「ばか、やっぱり変なことかんがえてるじゃないか」


後ろではAがマフラーのようにククールのマントに顔をうずめて歩いている。
「ゼシカ…どうしよう…」
「どうしたの?傷痛い?」
「マントからククールの匂いがする…」

一瞬安心ししつつも、ゼシカは
「あ〜はいはい、お幸せに」と呆れ気味に返しつつ笑っていた。

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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時

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