退屈と死 ページ5
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パーティー会場には、数々の著名人が集まる。
斎木の叔父が主催したという、この催し物。
政界や経済界にいくら疎いわたしであっても名や顔を知るような人物が集い、ワインを片手に、談笑するような世界。
そんな世界に、当然わたしが馴染むはずがなかった。
「お姉さん、楽しめていますか？」
わたしはこの、斎木渉という男がきらいだった。
「……ええ、もちろんです」
「よかった。もしかしたらあまり気乗りされていないのかと、少し不安だったのです」
目に透けたようにわかる。
この男の貪欲さと傲慢さ。
見栄を張る、プライドの高さ。
「お姉さんのこと、ご紹介させてください」
美しい恋人。
そして、その姉。
以前に、麻結は言った。
「お姉ちゃんはもっと『心のこもった』社交性を持たなきゃだめだよ」
わたしはその言葉を、しかし否定することはしない。
ただ、わたしという女は常に現実のなかで、麻結という女の裏側に存在していた。
そのことをでも、わたしは恨んだりしていなかった。
むしろ姉として、嘘のひとつもなく妹をいとおしく思っている。
麻結もまたわたしにとても懐いていて――ともに地元を離れ、都内で同居生活を送るほどに――姉妹はすこぶる仲がよく、また、互いを尊重し合っていた。
だからと言って、わたしは麻結のようにはあいせない。
この斎木渉という男のことも、パーティーという名のお遊戯会のことも。
人目を盗み、早々に会場を抜け出す。
受付で預けていたハンドバッグを受け取って、エレベーターに乗った。
鏡張りの壁に背中を預け、吐き出した息は、浮遊することなく地面に落下した。
こころが疲れていた。
それでいて、ひどく渇いてしまっていた。
最上階のレストラン。
夜は、ひっそりとラグジュアリーなバーへ変貌する。
男性のバーテンダーが、笑顔で出迎えてくれる。
ひそやかな呼吸と、音楽と、匂い立つアルコールとが肌にまとわりつく。
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べに(プロフ) - 516516516tさん» こちらのほうも…！本当にありがとうございます(T T)双子とはまったくテイストが違いますが、これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月28日 0時) (
レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
516516516t(プロフ) - 双子と共にこちらも読んでいます！ (2018年9月26日 21時) (レス) id: 06c5e90194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2018年9月11日 21時
