一瞬で終わる世界【第五人格】

君の純白を穢したい※ ページ6

・逃走世界線




はぁはぁ

息がきれる。今日は部屋でゆっくり出来ると思っていたのに。

カタッと音がしたのですぐさますぐそこにあった机に隠れる。

こうして隠れなければならないのは元夫のせいだ。

「A〜どこだぁい？ははは、出ておいで」

こんな自体になっていてなんだが、私は今日の今日までずっと元夫から隠れて生きていた。

それはゲームでも同様にそうしてきた。

故に見つかったことはなく、平和な日々を過ごしてきたのだ。


そう、先程までは。


時は今日のゲームにまで遡る。





＊＊＊＊＊＊



この荘園に来てしばらく経つ私は少しづつ衣装が増えていた。

そして今日、何とURの衣装を貰ったのだ。

衣装名は『穢れなき白百合』

名の通り百合をモチーフにした、動きやすそうなウエディングドレスだった。

これを見た私は昔に憧れたドレスに酷似していてついつい舞い上がってしまい、すぐさまこの衣装を着てゲームに出てしまったのだ。

この衣装が顔を隠さない衣装だと知らずに。







今回はウィラ、エミリー、マーサ、私のバランスがとれたメンバーでのゲームだ。

場所は赤の教会。

私達は皆ドレスの衣装でしようと少し前から話し合っていたので皆ドレスの衣装だ。

「あらA、それが新しい衣装？とっても綺麗ね！」

「ふふ、ありがとう」

「そうね、それにAの顔がよく見えてとてもいいわ」

「え？」

私はエミリーの言葉を聞いて笑顔のまま硬直してしまった。

だって私の顔が見えていたら、あの人が気づいてしまう。

「ごっごめんなさい！私このゲーム……」

辞退したい、そう言う前にパリンと言う音が鳴りゲームが始まってしまった。





落ちた場所は教会内。

しかも隣を見ると見覚えのある

「カ……メラ」

どうやら彼は月下の紳士の衣装らしく狼型のカメラが設置されていた。

ドクンッ

「うっ嘘！？心音する、どっどうしようどうしよう！？」

パニックになった末、私は教会の祭壇に隠れた。

コツコツと靴を鳴らす音がする。

「何処だ？何処にいるんだい？A、耳鳴りがするからには近くにいるんだろう？」

彼はそう言って辺りを探し始める。

私はチラリと彼を見てすぐに隠れた。

ああ、紳士だなんて真っ赤な嘘。

だって、あの人はあんなにも人喰い狼の様な顔で獲物を探しているじゃない。









続きます( °꒳° )

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