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〜和side〜
お皿を丁寧に持ち上げ、冷たい廊下を歩く。
あの家にすっかり馴染んでしまったこの脚は
リビングに辿り着くまでの距離が
異様に早く感じさせて皮肉だと思った。
・
櫻井邸を出てから早、2ヶ月。
家が嫌になった訳ではないし
ましてや、家族に不満があるわけでは毛頭ない。
寧ろ…『家族』と呼べる箱に納められた
証でもある、あの邸宅は
俺にとってはもう唯一の故郷みたいなもので
それでも
＿＿＿どうしても、独りになりたかった
あの優しい空間の中では
自分の廃れた身が空中分解でも起こしそうだから
紅羽の" 死 "と向き合う時間が欲しかった
最初はかなり反対された
翔さんにも、大野さんにも
それこそ、相葉さんや…潤くんにさえ。
特に翔さんは、中々首を縦に振ってくれず
唯でさえ精神不安定な弟を1人にする訳には
いかないって断固拒否。
何度も説得した結果
1週間に1度は必ず顔を見せるという条件下で
彼は渋々了承してくれた。
翔さんは、週に1度は必ず花模様が描かれた絵皿に
料理を乗せて、届けに来てくれている
食に疎い俺に気を遣ってくれてるのか
メニューはいつも俺の好物且つ
胃に入れやすいもので
決まって、水彩絵の具で描かれた様な食器付きで。
一見、高級品に見えるけど
先日、絵皿の裏側に小さくサインが
彫られているのが見えて
その
俺は
あの人達の些細な気遣いに
一体何回救われたんだろうか
・
紅羽が、この世を去ってから
気付かない内に葬儀は終わっていて
四十九日を過ぎ
季節までも跨ぎ
木枯らしが冷たい風にのって舞う季節に
なっていた。
生きた心地のしない葬儀では記憶が曖昧の中
喪服に身を包んだ大野さんと翔さんに終始、
両側から守るように支えられていた美鈴姉さんと
遺族のスペースには、誰一人として見えていない
異質な光景だけは鮮明に覚えている
あとは…
どこか、離れた席で
呆然と遺影を見上げていた…しおりさんの姿。
ただ、一つだけ
遺影の中の、アイツは笑っていた
屈託のない
曇りひとつ見受けられない晴れ晴れとした笑顔で。
どうして、
なんで、？
そんな言葉は腐る程吐いた
あいつが好きな物を毎晩作って
でも、それは減ることはなくて
そんな、色味のない生活に慣れてしまった
自分が酷く惨めで
湿っていた枕はもう、カラッカラに渇く毎日
俺の部屋の時計には
そんな日常しか刻まれていない
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん！泣 コメントありがとうございます！更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです！人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ＾＾お付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2019年12月11日 20時) (
レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅＊さん、更新きたぁ！と思ったら「えっ、まさか！？ 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです！！お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます！！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です！動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2018年10月8日 17時
