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〜和side〜
・
瞬きすら出来ず
息の仕方さえも忘れかけた数分間だった
紅羽が遺した最期の日記は
機能を失った脳では、一度に処理しきれる
情報量じゃなくて
「それから、数ヶ月後…
中3になってから直ぐだったかな。
紅羽は倒れて救急車で運ばれた。
精神を壊して入院したんだ」
悪魔に弄ばれてるかのように
涙で滲んだインクのページに刻まれている
言葉の一つ一つが
心に
深く
重く突き刺さる
「これで、分かっただろ二宮」
椅子に凭れかけながら見詰めてくる
深淵の瞳から
「あいつは、心中なんかじゃない」
静かに、一筋の涙が流れ落ちる
「紅羽は殺されたんだ
________『和くんにはわからないよ』
「それでも、あいつはお前を選んだ。
過去を精算してでも…
実らせたかったんだろうな
お前との恋を」
あの時 俺の手からすり抜けていった
紅羽の白くて細い指が震えていた訳が
ようやく分かった
いつかの夜に
突如、携帯の奥から己の鼓膜に届いた振動と
耳元で響いた紅羽の悲鳴を思い出した途端
今では容易に、その時のアイツの状況下が
視えた気さえもした
日記は、ここで筆が止められている
机上を見る限り、真新しいモノは
見当たらなかった
あいつは
本当は、初めから諦めていたのかもしれない
表裏一体の様な境遇を持つ2人でも
俺達の関係を＿＿＿＿＿
「なぁ、二宮
お前はさ、俺を恨むか」
「なんで…」
「俺はさ
違う女を好きになれねぇとか
言っときながら
あいつが入院してる間に、好きな奴が
出来たんだよ」
「……は？」
「自分が最低の男だって解ってる。
あいつがどんな想いで俺に別れを
切り出したか…
考えるだけでも、胸が潰れてしまいそうなのによ」
髪をグシャリと乱しながら
自責の念に駆られてるかの様に呟いた絢瀬は
目を赤くして紅羽の日記をパタンと閉じた
「頼むからさ…
お前は…
お前の家族だけは、幸せになってくれよ
あいつの分までも」
他人の幸せなんて、願う柄じゃない
自分の幸せすら
この手に掴めても居ないやつが
今更、何を願えばいいのか＿＿＿？
命を吸い取られていくかの様な感覚の中で
涙を流しながら、哀しく微笑む
翔さんの顔が思い浮かんだ気がした
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん！泣 コメントありがとうございます！更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです！人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ＾＾お付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2019年12月11日 20時) (
レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅＊さん、更新きたぁ！と思ったら「えっ、まさか！？ 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです！！お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます！！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です！動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2018年10月8日 17時
