硝子の涙 2【OS】 (ページ10)

今日:11 hit、昨日:11 hit、合計:234,580 hit

55* ページ10

～智side～

何となく耳をすませてみると…

｢私の右隣の席の人って誰？知ってる人？｣

その瞬間

松潤の…いや。

その場にいた全員の表情が固まった。

｢…へ？ど、どうしたのよみんな…｣

急に周りの全員が引きつった顔を
見せて焦りを見せた咲田。

そんな中

｢……二宮和也って男子。

今日は体調不良で休んでる｣

あくまで、冷静に。

いつものポーカーフェイスを保ちながら

翔くんは淡々と答えた。

そぉっと、松潤の方を見てみると

｢…ふーん。体調不良…ね｣

｢ん？どしたの松潤。顔濃いよ？｣

何やら思案している彼を見た相葉ちゃんが
何とも言えない台詞で松潤の顔を覗き込んだ。

｢…うっせえ、元々だわ。｣

そんな相葉ちゃんを適当にあしらいながら
再び昼食に目を向ける彼。

この男は恐らく

この場に翔くんが居なかったら
今の状況を嘲笑っていたんだろうか

ふと、家に1人で居るあいつの顔が浮かんできた。

家に1人で平気かな

熱下がってると良いけど…

何となく翔くんの方を向いてみると

｢……｣

誰かを食い入るように
じっと見つめていた。

その視線の先を辿ってみると

｢あ、麻衣！私の卵焼き食べたな！？｣

｢へへ～んだっ！｣

咲田とじゃれている "彼女"

すると俺がずっと見詰めていた事に気付いたのか。

｢っ……｣

我に返った様に慌ててそっぽを向いた。