硝子の涙 2【OS】 (ページ41)

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～智side～

クラスは、これまでにないくらい
雰囲気が最悪だった。

各々が、咲田の奇行に驚いている中。

俺はただ、和と咲田が出ていった
ドアをボーッと見詰めるだけ。

｢くそっ…どういうつもりだよあいつ…っ｣

怒りが収まらない様にドカッと再び
椅子を蹴る松潤。

勢い良く転がった椅子が…今では滑稽に見える。

｢紅羽…｣

その近くでは東が心配そうな瞳で
俺と同じ様に彼女が出ていった
ドアを見詰めている。

でも、俺はそれよりも…

｢大丈夫…？相葉ちゃん…｣

虚ろな目で

どこか1点を見詰めている彼に声を掛ける。

｢…相葉ちゃん？｣

｢……｣

｢っ相葉ちゃんっ！！｣

大声で呼ぶと、やっとビクッと反応した彼。

｢っ！な、なに？大ちゃん｣

｢いや、ずっとボーッとしてるから…｣

｢…大丈夫だよ。心配しないで｣

そう呟くと、そのまま教室を
彼は出ていってしまった。

『 …雑魚は黙ってろ』

さっき、彼に吐き捨てた…松潤の言葉

きっと…気にしてるんだろうな…

怒りに身を任せた松潤は誰にも手は負えない。

本当は俺が一番あいつを助けてあげないと
いけない筈だけど…

ギュッ…

握る拳につい、力が入る。

俺には…それは出来ない。

だってそうしたら…

翔くんの計画の

邪魔をする事になるから。