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〜和side〜
あれから、どれ位走ったんだろう。
｢はぁっ…はっ…ち、ちょっと！！｣
｢きゃっ！？何よ、もう！｣
息がそろそろ、もたなくて手首を引っ張る
彼女の白い腕を思いっきり引っ張った。
手首を掴んでいた本人はつんのめりそうに
なりながら、気に食わなそうに声をあげる。
いつの間にか、目に映る景色は
見慣れた街に変わっていた。
一気に飛び出した校舎はもう見る影もない。
忙しなく動いていた足を急に止めた僕につられて
彼女も勢いよく振り返る。
｢はぁ…はっ、な…んなんだよ、一体…｣
｢なにって？｣
ポカンとした丸い瞳を向ける彼女。
この人は確か…
｢あんた…転入生の…｣
｢ふふっ、そう言えば話すの初めてだっけ？｣
今度は、にこやかに微笑んだ。
表情豊かだな、この人…
クルクル変わるその喜怒哀楽に
思わず拍子抜けしてしまう。
｢私の名前は咲田紅羽。
転校生じゃなくて、正確に言えば
この夏からの復帰生よ。｣
｢復帰生…？｣
聞き慣れないその単語に違和感を覚える。
｢えぇ。中3の時から訳あって入院してたの。
でも急に体調が良くなって、復学。｣
乱れた長い黒髪を整えながら
淡々と説明する彼女。
そんな事より…
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作者名：星羅
| 作成日時：2017年7月14日 2時
