硝子の涙 2【OS】 (ページ36)

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～和side～

｢流石に…やばくない…?｣

｢授業どころじゃねぇな…あいつ。｣

クラスを取り巻く

陰口という名のBGM。

いつも通り登校し、教室に入るとそこには

ゴミ箱と化した悪臭漂う机の中。

ビッシリと椅子に貼られた画鋲達。

いつも以上に荒らされた席があった。

…ため息すら出なかった。

こんな事をする人物は

もう解りきってるから。

｢…よお。よくもまぁ…ノコノコと来てくれたな？｣

…ほらね。

｢てめぇ…翔さんに自分の罪を
擦り付けたんだって？｣

ザワッ_____

｢えっ…櫻井君に…？｣

｢ウソ…だから翔くん今日居ないの…？｣

彼の放った衝撃の一言に

教室に、どよめきが起きる。

｢はっ…お前の代わりに翔さんが謹慎だと？

…ふざけんじゃねぇよ。｣

ガンッ___

｢｢｢キャーーーッ！！｣｣｣

ガラガラガラッ___

教室に女子の甲高い悲鳴が響く。

怒りの真骨頂に達した松本は近くの椅子を
思いっ切り蹴っ飛ばした。

木の部品が外れた椅子が黒板の柱に当たり
鋭い轟音が朝の教室に鈍く共鳴する。

｢黙ってんじゃねぇよ。｣

ジリジリと詰め寄る…彼の影。

｢…ちょ…ちょっと松潤、そろそろやめ…っ｣

怯えた様に彼を牽制に入った相葉さんを…

｢雑魚は黙ってろ。｣

目も合わせずに一瞥する彼。

一気に強張った相葉さんの表情。

｢…聞いてんのかよ、てめぇ。｣

｢う"っ…、ぁっ｣

急に近付いてきた腕で。

ぐいっと力任せに掴み挙げられた身体。

っ…い…きが…っ

ギリｯと、首元にある拳に力が入った。

喉元に食い込む、骨が浮きだった拳で
上手く息が出来なくて

目の前にある、濃い顔が白く滲む。

｢どうやら、お前は…もっと痛い目あわせねぇと
理解出来ねぇみてぇだな…｣

｢っ…！！｣

その言葉に…全身に電流が走る。

『痛い目みねぇと解んねぇんだよなあっ！？』

ゴミを見るような松本の目が

勢いよくバットを振り下ろす義父の姿と重なる。

あぁ、駄目だ。

鬼気迫った濃い顔の拳が思いっきり
目の前にきて、咄嗟にギュッと目を瞑った。