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〜和side〜
｢そんなっ…おじさんがまた…｣
全てを話し終えた後。
大野さんは、信じられない様に動揺している。
｢…自分がやったと言い張る翔さんに対して…
お義父さんは…｢違う！！｣
｢翔くんがそんな事する筈ないっ！！！｣
ビクッ____
急に声を荒らげた大野さんに
つい、身体が強ばった。
再び訪れる沈黙。その場に流れる張り詰めた空気。
刹那
ふわっと…周りの空気が動いた。
｢…ごめんな…っ｣
至近距離に感じる大野さんの声。
｢早く……気づいてやれなくて…っ｣
震える声で…
謝罪をし続ける彼。
｢お…おの…さん…？｣
気がついたら僕は
彼の温かい腕に包まれていた。
｢恐かったろ……ごめんな…っ…｣
大野さんはただ。
ひたすら謝っていた。
背中に回された力強い腕は小刻みに震えている。
目の前でドクドクと刻まれる…
大野さんの鼓動。
その規則正しい優しい音と温もりに
｢…っ…｣
喉の奥が熱くなった気がした。
どうして…？
どうしてこの人は…
僕を責めないの…？
『お前のせいでっ…！！』
『この疫病神がっ…！！』
(っ…お父さん…お母さん…)
｢…二宮くん？｣
｢はぁ…っ…はっ…ぁ…｣
息が…苦しい…
｢っ、二宮くんっ！！しっかりしてっ！！｣
慌てた様に身体を離し
背中をひたすら摩ってくれる大野さん。
でも、ごめんなさい大野さん…
今日はもう…限界です…
｢っ…和っ！！！｣
彼の叫び声を近くに感じながら
大野さんの腕の中で僕の意識は途絶えた。
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作者名：星羅
| 作成日時：2017年7月14日 2時
