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〜和side〜
・
外から聞き覚えのある笑い声が耳に入った。
シャッと窓のカーテンを
開けてそっと覗いてみると
｢やっぱりな……｣
笑い合いながら仲睦まじく
談笑する翔さんと大野さんの姿。
玄関まで迎えに行こう。
2人に昨日の事をお礼しなくちゃ…
重たい体に鞭を打ち部屋のドアを開けて
エントランスを目指して長い廊下を突き進む。
心做しか足取りが妙に軽い。
どうやら昨夜の間に汗をだしきったからか
熱はすっかり下がった様だ。
その時、扉が開く音がした。
ガチャっ_____
｢…なんだ、起きてたのか。｣
｢おぉー！ただいま。
よかった。熱はもう下がったんか？｣
｢…えぇ。ありがとうございました、色々と｣
｢…別に。大したことしてない｣
｢んふ、どういたしまして〜｣
相変わらず対照的な２人の態度に思わず苦笑。
｢てかただいまって…
あなた自分の部屋帰ってよ｣
｢はぁ！？なんだよ今更。
別にいいじゃんか、水くせぇ｣
若干、気に食わなそうな顔を見せるも
大野さんの言葉に
翔さんは不思議と笑みをこぼしている。
あの翔さんが無意識に口角が緩んでいる。
大野さんはほんとに凄い人だ。
微笑ましくも
そんな何気ない日常で垣間見れる
２人の関係性に再び羨望が生まれたりもする。
｢…どうして大野さんはまた？｣
未だに、玄関で掛け合いをしている２人を
そっとリビングに促しながら
生じた疑問を投げかける。
｢…期末試験の勉強。
この人、ほんとギリギリだから｣
｢おい、翔くん！そんな言い方ねぇじゃんかよ｣
｢ほんとの事でしょ？｣
子供みたいに頬を膨らませて不満そうに
大野さんが呟いた。
｢…お前も少しは勉強しとけよ。
あと今日はメシ要らねぇから｣
僕の方を一切見ずに、翔さんはそう吐き捨てた後
颯爽とリビングを出ていってしまった。
相変わらず僕には堅物な翔さんの態度に
無意識に深いため息が出てしまう。
｢気にすんなって｣
｢え…？｣
｢"病み上がりなんだから飯なんて
作ってないで早く寝ろ"
だってよ｣
大野さんはおかしそうに肩を震わせて笑いながら
無理すんなよ、と僕の肩を軽く叩いたあと
翔さんのあとを追って階段を上っていった。
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作者名：星羅
| 作成日時：2017年7月14日 2時
