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〜智side〜
そんな、朝の平和な一時も束の間
｢馬鹿はお前だろ、相バカ。｣
その声が鼓膜に届いた途端に
胸中に一気に雲が差し掛かった。
｢あぁ！？ちょっと松潤なにすんのさ！｣
｢朝からうるせんだよ｣
｢潤、おはよ｣
｢はよ、翔さん｣
突如顔を覗かせた、色素の濃い彼によって
引き剥がされた2人の身体。
｢リーダーも。珍しく起きてんだな｣
昨夜の、あいつの事もあってか
何となく気まずい。
そんなことを、俺が考えているとは
夢にも思ってないだろう彼はスタイリッシュに
足を組んで窓に寄りかかり翔くんと談笑中。
｢…リーダー？どした？｣
｢いや、何でもねぇ｣
未だに視線を逸らさない俺を見て
太い特徴的な眉毛の形を歪ませた松潤。
勘が良い彼にバレたのではないかと
激しい焦りが生じる。
背中に流れる冷たい汗を感じながら
どうしようかとプチパニックになっていたその時。
｢今日その人いつも以上に寝不足だから。
あんま気にしないでやって、潤｣
意味ありげに笑いながらおいらの顔を
覗き込んでそう言う翔くん。
｢ほーん、なるほどね。授業中寝んなよ？｣
｢…うっせぇ｣
納得した表情で笑いかけながら俺の髪を
ワシャワシャと撫でつけた松潤の手を払う。
｢潤ちゃんも寝ちゃダメだぞっ！☆｣
｢あぁっ！？｣
｢ひぃ！！｣
｢ほら、そろそろ席つけ2人とも。
岡田先生来るぞ｣
｢潤ちゃんのおバカーっ！｣
じゃれ合いながらも2人は生徒会長の言葉に従い
素直に席に向かった。
ふと横を見ると
視線に気付いたのか最初から見ていたのか
彼も俺の方を向いていて
目を細めて柔らかく微笑んだ後
悪戯っ子のようにべっと軽く舌を出した。
…適わねぇな、全く
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作者名：星羅
| 作成日時：2017年7月14日 2時
