3. 呪いと言葉 ページ5
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突然響いた僕たちの中の誰でもない声に、Aはさほど驚かなかった。
「ふふ、本当に押さえ込まれているんだな。宿儺」
両面宿儺。
呪いの王。
悠仁の頬から一つ目と口が出てきていた。
悠仁がいつものように頬を叩こうとする、その手をAが止めた。
「なに、指を全て取り込んだら小僧一人乗っ取ることぐらい造作もない」
恵がその言葉に眉を寄せる。
野薔薇も不機嫌そうにそっぽを向いた。
「そりゃあそうさ」
二人の視線が一気にAに集中する。
それが面白くて、少し笑いそうになってしまった。
「そうしてもらわないと。負けた者にもプライドがあるのでね」
Aは一度宿儺に挑んで、負けている。
宿儺が鼻をならした。
「相変わらず、いい性格をしているな」
「よく言われるよ」
だが、この会話から見て、二人はかなり親しい間柄に思える。
宿儺は満足したのか、引っ込んでいった。
緊張感が少し和らぐ。
僕は宿儺よりもAが怖かったけど。
そう、呪術全盛の時代だとかなんとか、そんなことよりも、術師として生きていくうえでもっと大切なことがある。
桐ケ谷Aを敬うこと。
桐ケ谷Aを怒らせないこと。
呪術界の最も大切な社交辞令だ。
「禪院家相伝の術式はもちろん、釘崎野薔薇ちゃん、あなたの術式もなかなかいいわね。昔から伝わる由緒正しい術式よ。呪術界には男尊女卑が根深く残ってるから、何かされたら私を頼って」
Aは女性に優しい。
自分も性別のことで色々苦労したからだろう。
「悟、今いいよね」
「授業中なんだけど」
「わざわざ来たのよ。ん？」
「...分かった、いいよ」
自習しててと生徒たちに言い残し、Aの後についていく。
「生徒のレベルが、年々上がっているのを感じるわ」
「うん。僕も」
「生徒だけじゃなくて、呪霊のレベルも上がってる。宿儺の器を巡ってなにかあるかもね」
「でも、悠仁はそれで曲がるような子ではないよ」
「虎杖悠仁は、別に私にとってはどうでもいいの。宿儺に興味があるだけで、彼自体には、特に。私が気にしてるのは、そのおかげで呪術界に歪みができるんじゃないかってこと」
悠仁の執行猶予が伸びたのは僕が駄々をこねて、上層部が根負けしたから、ではない。
Aが許可を出してくれたからだ。
Aの判断は絶対。
それに逆らえるものはいない。
「虎杖悠仁のおかげで周りの術師に害が出るというのなら」
真っ直ぐに注がれる視線。
言葉。
「＿＿＿執行猶予関係なく、虎杖悠仁を殺す」
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ピエリッタ(プロフ) - こおりさん» コメントありがとうございます！低評価なのはこの作品を上げた際、オリ/ジナルのタグを外し忘れたからだと思います💦挽回できるよう更新頑張りますね！ (2022年7月26日 17時) (
レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
こおり - めちゃくちゃ面白いです！！ 更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ なぜ低評価なのかが意味わかりません、、、。 (2022年7月26日 15時) (レス) @page9 id: 7142da3b96 (このIDを非表示/違反報告)
ピエリッタ(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます！こんなに早くもらえるなんて...！ご期待に沿えるよう頑張ります！ (2022年7月21日 8時) (レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年7月20日 19時) (レス) @page5 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ピエリッタ(プロフ) - あ、本当ですね！ご指摘ありがとうございます。もう一度ルールを確認しますね。失礼しました。 (2022年7月20日 17時) (レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピエリッタ | 作成日時：2022年7月20日 17時
