いつでもおいで【呪術廻戦】

2. 神様 ページ4

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「＿＿＿呪術全盛の時代。宿儺が頑張ってた頃の話ね。ここら辺の小テスト悠仁有利だよねぇ。宿儺から色々聞かされてるんじゃないの？自慢話とかさ」


いつものように薄っぺらい授業をする。


分かりにくくはないだろうけど、特別面白くもない。


呪いが渦巻くドロドロした話を面白おかしく話す気もないが。


「そんな仲良くねぇし！つか、小テストなんてあるの？」


「うんっ！僕の気が向いたらやるよ！」


キュピンッ！とピースを作って見せると、野薔薇はあからさまに顔をしかめ、悠仁は華麗なるスルーを決めた。


恵は相変わらず無関心。


「ここそんなに大事なの？」


「いやぁ、ぶっちゃけ覚えてなくても大丈夫」


「ならもっと大切なとこ教えなさいよ！」


「そうねぇ。確かに術師として生きていくうえでもっと大切なとこってあるよねぇ。例えば＿＿＿」


そんな僕の言葉を遮るように、教室の扉が開いた。


ガラガラ


滑りの悪いドアが重い音を立ててスライドされる。


赤い着物が見える。


「A...？なんで、」


心臓がドクンと跳ねて、背中に嫌な汗が伝う、


なんてことはなかったが、少なくとも笑顔がひきつるぐらいには驚いた。


「暇だったからね。来ちゃった」


黒髪が風になびいて揺れる。


黒い瞳が僕を見据える。


「久しぶり。悟」


嫌な汗が伝ったのは気のせいじゃなかったのかもしれない。


Aは笑ってる。


怖くなるほど美しく。完璧に。


「どうしてここにいるの？」


うん？とAが首を傾ける。


笑顔が引っ込んだ。


上目遣いでこちらを見て、それから生徒三人を見回した。


「宿儺の器」


小さく呟いたかと思えば、悠仁に近づいてまた笑った。


「虎杖悠仁くんだよね」


あぁ、悠仁目当てか。


まあ確認しときたいよね。そりゃあ。


「そうっすけど。えっと、誰？」


「本当に普通の子なんだね」


目を細めて悠仁を品定めするように見たあと、へぇ、と笑う。


お気に召しましたか？


野薔薇と恵が、誰よこれ、と目配せしてくる。


「私は桐ケ谷A。知ってるでしょ？」


Aが二人に聞く。


二人は少し驚いた後、慌てて背筋を伸ばした。


「えっ、えっ？！なに？！そんなすごい人なの？！」


なにも知らない悠仁が混乱している。


「Aは不老の術式を持った、千年以上前から生きている、呪術界の権力者。呪術界の、神様だよ」


「神、様...？」


悠仁が復唱する。


Aがうん、と頷いて笑った。





＿＿＿「やはり、お前か」

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