11. 神様の特別 ページ13
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布団を胸元まで引き寄せて上半身を起こしたAに、「うわぁ、なんかとってもえっちな感じですぅ〜」と体をくねらせながら言うと腹を蹴られて怒られた。
「服、とって」
完璧に覚醒して女王様となったAはいつも通り僕に命令する。
「着せてあげよっか？」
「......別にいいけど、下着は自分で着るよ」
そう言うと立ち上がってパサリと布団を落とした。
白くて細い体が惜しげもなく晒される。
少し目眩がするようだった。
冒頭にあるようにAが自分の裸を隠すことは珍しい。
相手が僕であるからという理由なら全く構わないのだけれど、
「ねぇA、裸見られて恥ずかしくないの？」
「うん、慣れてるからね」
この通りだ。
僕より前、もっとずっと何年も前にAは何人かの男とこういう関係を持っていた。
だからだろうか。
詳しくは教えてくれないし、一昔も二昔も前の話だけどやっぱり嫌なものは嫌だった。
下着を着たAは僕に早く服を着させろと促した。
「A、僕は君の中で特別？」
「特別だよ。そうじゃなかったら私に触ることさえできないからね」
「ふふっ、嬉しい。神様の特別なんて光栄だな」
"神様"
その言葉にAの瞳が曇るのを感じた。
僕の着物の裾をぎゅっと握る。
「...ごめん。禁句だったね」
＿＿＿『神様なんて言わないで。私をそうやって突き放さないで。お願い。ここにいて』
あの日君は、初めて僕に涙を見せた。
すがり付くように僕を掴んだその小さな手は愛しくて。
苦しげに眉を寄せて潤ませたその瞳から溢れる涙は、美しかった。
ああ、僕も大概イカれてるんだなと思いながらAを抱き締めた。
覚えてる。
僕はその日これ以上ないくらいの幸福感に満たされて、宝石みたいな雫を一つ一つ掬い上げてた。
覚えてる。
桜が散る美しい夜だったこと。
ねぇ、お前らはこうやってAにすがられたことはあるのか？って、今はいない遠い昔の男たちに尋ねた。
僕は特別なんだよ。
この美しい１人の
「悟？」
「んっ、」
黒い瞳に覗かれて我に返る。
「どうしたの」
首をかしげた拍子にサラサラと肩からこぼれ落ちる黒髪に見惚れながら、「なんでもないよ」と答える。
でもそれを見透かしたようにAは
「悟は私を好きすぎるから困っちゃうな」
と笑った。
ああ、好きだ。と分かりきったことを思う。
続く (更新停止中)
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ピエリッタ(プロフ) - こおりさん» コメントありがとうございます！低評価なのはこの作品を上げた際、オリ/ジナルのタグを外し忘れたからだと思います💦挽回できるよう更新頑張りますね！ (2022年7月26日 17時) (
レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
こおり - めちゃくちゃ面白いです！！ 更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ なぜ低評価なのかが意味わかりません、、、。 (2022年7月26日 15時) (レス) @page9 id: 7142da3b96 (このIDを非表示/違反報告)
ピエリッタ(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます！こんなに早くもらえるなんて...！ご期待に沿えるよう頑張ります！ (2022年7月21日 8時) (レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年7月20日 19時) (レス) @page5 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ピエリッタ(プロフ) - あ、本当ですね！ご指摘ありがとうございます。もう一度ルールを確認しますね。失礼しました。 (2022年7月20日 17時) (レス) id: 916fe9a51a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピエリッタ | 作成日時：2022年7月20日 17時
