第4話 再会 ページ5
「selly、さん…」
気まずくなってそっぽを向く。
しかし、どうやらsellyさんをヘイトを買ったのは、先程まで肩を組んでいた2人のようだ。
『どういうことだ?説明しろ。なんでゆづきがいる。なんでここにいる??』
『あ、あぁ…兄さん…落ち着いて…』
状況を理解出来ず目をまるくしているsellyさん。
言い詰められているようで、すっかり怯えているCPTさん。
この状況を誰よりも楽しんでいるRasさん。
カオスだ、カオスでしかない。
別に明日も休みだから構わないんだけど、このまま時間が過ぎるのももったいない気がする。
何とかこの空気を打開できないだろうか。
「うーん。……あっ」
先程まで手に持っていたものを、ばっと3人の方に向ける。物音に気がついた3人はこちらに視線を向けた。
「あ、あの、これ買えますか?」
sellyさんのキャラクターの載ったTシャツ。
特に欲しいとは思ってなかったけど、この中でいちばん可愛くて女の私でも着やすそうだったというのが妥当な理由だ。
「え、それ俺…の」
「わぁ!今おじじいないけどいいよ!」
パタパタとこちらによってきたRasさんが会計をしようとする。流れるように財布を出してお札をペラペラと数える。
そしてお金を取りだしRasさんに手渡そうとすると後ろからぬっと手が出てきて私の手とお札を掴んだ。
「待って、俺が出す。」
「え、えぇ?どういうこと?大丈夫だよ、買うって言ったし。」
「いや、大丈夫。出す。」
私の手を掴んだ逆の手で、Rasさんにお金を握らせる。
「はい、これで終わり。それより、なんでここにいる。」
「あ、いや…これは…」
Rasさんに救いの眼差しを向けるが、まるで困ってる私が面白いと言わんばかりに目線をそらされた。
連れてきたのはあなたなのに!
「ちょっと…誘われて来たというか、Rasさんが…」
「ふーん、そっか。まあなんでもいいけど。ちょっと来て。」
また今日もsellyさんに腕を掴まれ、事務所の奥に連れていかれる。
私はどうなってしまうんだ…?
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黒川かぐや(プロフ) - 好きです、こんなに設定とか、キャラの新庄とか、書かれていて尊敬します!ほんとに面白いです!この作品を書いて下さりありがとうございます😖🫶🏻💕︎︎ (7月16日 2時) (レス) @page36 id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anesamaya | 作成日時:2022年11月14日 12時