第27話 不安 ページ28
朝起きたら、そこはsellyのベッドじゃなくて白い部屋のベッドだった。
わざわざsellyが移動させたのかな。
だとしたら私と寝るのは嫌だったのかも。
やっぱりなんか、sellyは好きとかって言うよりも独占欲とかそういうものだけなんだろうな。
好きなんて、そんなの信じられない。
スマホの充電を抜き、電源をつける。
そこにはsellyからのカカオトークが届いていた。
《配信する
静かにしてて》
淡白だなぁ。私のことどう思ってるのか分からなくなってきた。
流石にもう午前10時。
お腹はすく。
《朝ごはん、作ってもいい?》
《俺のも》
即レスで帰ってきた返事に口角を上げながらため息をつく。今日は何を作ろうかな。
――――――――――――――――――――
「やー、敵が強かった。」
>nt
>gg
>ないす〜
最近久しぶりに始めた新作のオーバーウォッチ2。
元プロということもあって、視聴者からの声は熱い。ただやっぱり日本語で配信するのは疲れる。
ランクもなかなか言葉の強い野良も増えるし、そろそろ終わろうか。
「俺そろそろ終わるよ。朝なのにありがとー。」
>朝活助かる
> 감사합니다〜(ありがとう〜)
>mataneー
配信を切ってふぅと一息つく。
タンブラーに入ってた水も、もう無くなっていた。
『あーー、疲れた。』
と、思ったところで隣の部屋のドアが開く。
Aが昨日の服のまま出てきた。
「配信、終わったよ。」
「あ、終わったんだ。なーんだ、めちゃくちゃ静かに開けたのに。」
てへへっとAが笑う。
多分、さっき起きたからなんだろうけどなんかいろいろ無防備だ。服外れて肌がかなり見えてるし、こう、全体的に油断しているというか。
『気緩みすぎ...。』
「ん?なに?」
「ぁや、なんでも。」
Aは不思議そうな顔をしながらキッチンに向かった。カチャカチャとキッチンの方からお皿を片す音が聞こえ始める。
結局俺はAをどうしたいんだろう。
閉じ込めておきたいのか、恋人関係になりたいのか。
それとも、どっちもか。
『俺は、Aのことをどう思ってるんだ。』
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黒川かぐや(プロフ) - 好きです、こんなに設定とか、キャラの新庄とか、書かれていて尊敬します!ほんとに面白いです!この作品を書いて下さりありがとうございます😖🫶🏻💕︎︎ (7月16日 2時) (レス) @page36 id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anesamaya | 作成日時:2022年11月14日 12時