【СR】彼との生活は危機一髪？【selly】 (ページ27)

今日:13 hit、昨日:47 hit、合計:90,998 hit

第26話まだ早いページ27

「ポテト出来たよ〜。」

Aが大きなお皿にたくさんのポテトを乗せてぽてぽてと歩いてくる。

その姿がやけに可愛くて。
思わずAにしがみついた。

「わ！ちょっとselly〜、危ないよ？」

お皿を机に置いて、Aは俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。とてもじゃないけど、この嬉しさを表す言葉なんてどこにもない。

『A〜、どこにも行かないでぇ〜。』

「ちょちょ！なんて言ってるかわかんないし！」

Aの腰にしがみついた体は、ずりずりと滑り落ちて地に着いた。それでもAにしがみつくのはやめない。

Aの片足に、猫のようにするりと這いより彼女よりも数倍でかい体で巻き付く。

そのせいでAはぐらぐらと揺れ始め、ついには倒れそうになった。

そのからだを支えたのはmondoだった。

「またか。」

「今回はsellyに言ってよ…。」

足元でぶすくれる俺に、おしりを付けて上から眺めてくるA。

ばちっと目が合った。

反射的に恥ずかしくなって自分の体に顔を埋めた。
Aは他の奴らと話しながら俺の頭をなで始めた。俺の事をペットかなんかだと思ってるのか。

嬉しいから何も言わないけど。

再び目を開けた時、部屋は真っ暗で俺はベッドの上で寝ていた。

Aは？

はっとして体を起こした時、隣からううっと唸り声が聞こえた。ベッドの上でAがこっちを向いて寝ている。

布団が剥げたのが寒かったようで、縮こまりながら声を出す。

「んぅー...せりぃおきたぁ？」

開ききってない目でこちらを見ながら、もぞもぞと温もりを求めて布団のある方へいもむしのように動く。可愛いけど、寒がっているAを放っておく訳にはいかない。

再び布団を被ってAを抱きしめてみる。

「せりぃ、寝てたから...、みんな帰っちゃったよ。お皿とかまだ片付けてないから、後で...あらわ、なきゃ......。」

そこまで言って、また寝息をたてはじめる。
Aの温もりを感じて俺もウトウトとし始める。

もう、あの部屋は要らないか？

いやダメだ、Aのことをまだ信用しきれていない自分がいる。

未だ眠っているAを抱きかかえ、白い質素な部屋へと移動した。